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シャボン フロム ニュージーランド

シャボン フロム ニュージーランド_b0058500_1729736.jpgワインの大好きなG先生とワインの隠れ家へ。

まずはグラスシャンパンで喉を潤し、さて本日のとっておきの赤ワインをと云うときのこと、隣の席の女性が白ワインを次から次へとわたしたちにプレゼント。

その日、彼女は特別に気分が荒れているとのこと。

わたしとG先生はいたし方なく白ワインのおつきあいを。

聞けば彼女はニュージーランド人に嫁がれて、ニュージーランドに在住。
住んでみれば退屈な国で、暮らしてみれば退屈なご主人とのこと。

ぼやくのぼやくの。
倉敷にいらしたお父さまが亡くなられ、葬儀のために帰国され、明日は退屈なニュージーランドに帰られる前日でした。

ひょいと彼女の横顔を見つめると、肌の透き通るように美しい人でした。
思わず秘訣を伺いました。

後日、彼女から手作りの石鹸が送られてきました。
いえ、それよりもお手紙が。お手紙とともに「お試しあれ」とカードが。

でも探してもプレゼントはなく、おそらく彼女はそそかっしい人で、カードだけ送ってプレゼントを忘れられたのかなぁと思いつつ、そうこうしていると、たまらなくいい香りが纏いつき…。
封から落っこちた、小さな石鹸が机の隅にちょこんと転がっていました。

それは美しくなれる魔法の石鹸でした。

ラベンダーのたまらないほど切なくて濃厚な香りと、纏いつくような粘り気のある泡を生む、ニュージーランドの水の純粋さが、その石鹸の秘密だそうです。

ぼやきつつ生きていても、媚薬のような石鹸を丁寧に手作りしている遠い国の彼女。

きっとニュージーランドの水も、ご主人も、なにもかもを愛そうと努力されているのでしょう。

ふとしたことから出会ったゆきずりの人であろうと、その人を人生の印象に残すことが、人にはあります。
それはきっと旅の印象と似ているのでしょう。

手作りの人生をと願う新年の一日…
by nomelier | 2005-01-06 17:29 | Diary
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